はじめに
日本語の会話では、「正しい文法」を使っているのに相手を怒らせてしまうことがあります。
この記事では、対人関係において非常に重要な概念である「語用論的誤り」について、具体的な例とともに解説します。
語用論的誤り(プラグマティック・エラー)とは?
語用論的誤りとは、文法的には完璧に正しい文であっても、相手との社会的関係(上下関係・親疎)や発話の場面に合っていないために生じる誤りのことです。
辞書で調べた正しい文法や敬語を使っていても、特定の場面において致命的に失礼になってしまうケースが該当します。
具体的な誤用例とその解説
- 例1:「先生、頑張ってください」「先生、昨日より日本語が上手ですね」
文法は完全に正しいですが、目下の者が目上の人を「評価」する発言となっているため、語用論的にNGとなります。 - 例2:(目上の人に対して)「先生、明日休んでもいいですか」
相手に許可を求める形ですが、目上に対する要求としては内容的に失礼になります。正しくは「休ませていただけないでしょうか」などと配慮する必要があります。
💡 試験での出題ポイント
試験では、学習者の不適切な発話を診断し、現場での対応能力を問う問題が出題されます。
- 文法エラーと切り分ける:「おっしゃられる(二重敬語)」のような文法の誤りとは区別し、形は完璧だが使う相手を間違えている選択肢を探します。
- 「恩恵の方向」をチェックする:目上に対して「〜てあげる」を使っていないか確認します。
- 「許可の要求」の表現を評価する:目下から目上に対する依頼や許可の表現として適切かを確認します。
