日本語検定3級準備
敬語の作り方 改訂版
敬語の3分類、尊敬語・謙譲語の作り方、3択クイズによる自動採点
目次
0 敬語の3分類と全体像
敬語は、大きく3つに分けて考えることができます。
| 敬語の種類 | 何について言う語か | 例 |
|---|---|---|
| 尊敬語 | 相手のこと、相手側の人、相手側の行為を表す語 | お父様、尊父、いらっしゃる、召し上がる、おっしゃる |
| 謙譲語 | 自分のこと、自分側の人、自分側の行為を表す語 | 父、弊社、参る、いただく、申す、拝見する |
| 丁寧語 | 文全体を丁寧にする語 | です、ます、ございます |
この教材では、まず尊敬語と謙譲語の作り方を中心に学習します。
丁寧語は「です」「ます」のように文全体を丁寧にする語です。尊敬語・謙譲語とは役割が異なります。
尊敬語の作り方:3系統4パターン
尊敬語の作り方は、次のように整理できます。
| 系統 | パターン | 作り方 | 例 |
|---|---|---|---|
| られる系 | パターン1 | 動詞の受身形と同じ形を使う | 行かれる、読まれる、話される |
| お〜になる系 | パターン2 | お+マス形の語幹+になる | お読みになる、お待ちになる |
| ご〜になる系 | パターン3 | ご+漢語名詞+になる | ご出席になる、ご確認になる |
| 特別な形系 | パターン4 | 動詞ごとに特別な形を覚える | いらっしゃる、召し上がる、おっしゃる、ご覧になる |
注意:「お〜する」「ご〜する」は、基本的には謙譲語の形です。
尊敬語では、「お〜になる」「ご〜になる」を使います。
謙譲語の作り方:2系統3パターン
謙譲語の作り方は、次のように整理できます。
| 系統 | パターン | 作り方 | 例 |
|---|---|---|---|
| お〜する系 | パターン1 | お+マス形の語幹+する | お渡しする、お知らせする、お手伝いする |
| ご〜する系 | パターン2 | ご+漢語名詞+する | ご説明する、ご案内する、ご連絡する |
| 特別な形系 | パターン3 | 動詞ごとに特別な形を覚える | 参る、うかがう、いただく、申す、拝見する |
1 敬語を作る前に確認すること
敬語を作るときは、まず次の2つを確認します。
1つ目は、だれの行為かです。その行為をした人が、先生・お客様・社長・話している相手などであれば、尊敬語を使います。
2つ目は、自分側の行為かどうかです。その行為をした人が、私・私たち・自分の会社・自分の家族などであれば、謙譲語を使います。
ここで重要なのは、敬語の形だけを覚えるのではなく、その行為の主語がだれかを確認することです。
2 動詞の「マス形」とは何か
日本語教育では、動詞を説明するときに マス形 という用語をよく使います。
| 辞書形 | マス形 | マス形の語幹 |
|---|---|---|
| 行く | 行きます | 行き |
| 読む | 読みます | 読み |
| 書く | 書きます | 書き |
| 食べる | 食べます | 食べ |
| 見る | 見ます | 見 |
| する | します | し |
| 来る | 来ます | 来 |
「マス形」から「ます」を取った部分を、ここでは マス形の語幹 と呼びます。敬語の形を作るとき、このマス形の語幹を使うことがよくあります。
3 尊敬語の作り方
3-1 られる系
相手側の行為を表すとき、動詞の受身形と同じ形を使って尊敬語を作ることがあります。
| 普通の言い方 | られる系の尊敬語 | 例文 |
|---|---|---|
| 行く | 行かれる | 先生が学校へ行かれます。 |
| 読む | 読まれる | 先生が本を読まれます。 |
| 話す | 話される | 先生が会議で話されます。 |
| 見る | 見られる | 先生が資料を見られます。 |
| 来る | 来られる | 先生が会場へ来られます。 |
「られる系」は形として作りやすいですが、「ご覧になる」「召し上がる」などの特別な形がある動詞では、特別な形の方がよく使われることがあります。
3-2 お+マス形の語幹+になる
お + マス形の語幹 + になる
| 辞書形 | マス形 | マス形の語幹 | 尊敬語の形 |
|---|---|---|---|
| 読む | 読みます | 読み | お読みになる |
| 書く | 書きます | 書き | お書きになる |
| 待つ | 待ちます | 待ち | お待ちになる |
| 使う | 使います | 使い | お使いになる |
| 話す | 話します | 話し | お話しになる |
先生が本をお読みになります。
お客様がこちらでお待ちになります。
山田様がこの資料をお使いになります。
3-3 ご+漢語名詞+になる
ご + 漢語名詞 + になる
| 普通の言い方 | 尊敬語の形 |
|---|---|
| 出席する | ご出席になる |
| 利用する | ご利用になる |
| 確認する | ご確認になる |
| 参加する | ご参加になる |
| 説明する | ご説明になる |
先生が会議にご出席になります。
お客様がこのサービスをご利用になります。
部長が資料をご確認になります。
3-4 特別な形系
| 普通の言い方 | 相手側の行為を表す尊敬語 |
|---|---|
| 行く | いらっしゃる |
| 来る | いらっしゃる |
| いる | いらっしゃる |
| 食べる | 召し上がる |
| 飲む | 召し上がる |
| 言う | おっしゃる |
| 見る | ご覧になる |
| する | なさる |
| 知っている | ご存じだ |
先生が学校へいらっしゃいます。
お客様が昼食を召し上がります。
社長がそうおっしゃいました。
先生が資料をご覧になります。
4 謙譲語の作り方
4-1 お+マス形の語幹+する
お + マス形の語幹 + する
| 辞書形 | マス形 | マス形の語幹 | 謙譲語の形 |
|---|---|---|---|
| 話す | 話します | 話し | お話しする |
| 渡す | 渡します | 渡し | お渡しする |
| 知らせる | 知らせます | 知らせ | お知らせする |
| 届ける | 届けます | 届け | お届けする |
| 手伝う | 手伝います | 手伝い | お手伝いする |
私が資料をお渡しします。
私が結果をお知らせします。
私たちが準備をお手伝いします。
4-2 ご+漢語名詞+する
ご + 漢語名詞 + する
| 普通の言い方 | 謙譲語の形 |
|---|---|
| 説明する | ご説明する |
| 案内する | ご案内する |
| 連絡する | ご連絡する |
| 報告する | ご報告する |
| 相談する | ご相談する |
私が内容をご説明します。
私が会場までご案内します。
明日、私からご連絡します。
4-3 特別な形系
| 普通の言い方 | 自分側の行為を表す謙譲語 |
|---|---|
| 行く | 参る・うかがう |
| 来る | 参る |
| いる | おる |
| 食べる | いただく |
| 飲む | いただく |
| 言う | 申す・申し上げる |
| 見る | 拝見する |
| 聞く | うかがう・拝聴する |
| 会う | お目にかかる |
| する | いたす |
| 知っている | 存じている |
私がそちらへ参ります。
私が先生のお話をうかがいました。
私が資料を拝見しました。
私がそう申しました。
私が昼食をいただきました。
5 尊敬語と謙譲語の作り方の比較
| 種類 | 使う場面 | 系統・作り方 | 例 |
|---|---|---|---|
| 尊敬語 | 相手側の行為 | られる系 | 読まれる、行かれる |
| 尊敬語 | 相手側の行為 | お+マス形の語幹+になる | お読みになる |
| 尊敬語 | 相手側の行為 | ご+漢語名詞+になる | ご出席になる |
| 尊敬語 | 相手側の行為 | 特別な形 | いらっしゃる、召し上がる、おっしゃる |
| 謙譲語 | 自分側の行為 | お+マス形の語幹+する | お渡しする |
| 謙譲語 | 自分側の行為 | ご+漢語名詞+する | ご説明する |
| 謙譲語 | 自分側の行為 | 特別な形 | 参る、いただく、申す、拝見する |
| 丁寧語 | 文全体 | です・ます | 行きます、学生です |
6 同じ動詞でも、だれの行為かで形が変わる
ここでは、よく使う代表的な形を太字で示します。ほかの系統で作れる形がある場合は、かっこの中に補足します。
「見る」
| 内容 | 代表的な形 | ほかに確認しておきたい形 |
|---|---|---|
| 先生が見る | ご覧になる | 見られる(られる系) |
| 私が見る | 拝見する | 特別な形系として覚える |
先生が資料をご覧になります。
先生が資料を見られます。
私が資料を拝見します。
「言う」
| 内容 | 代表的な形 | ほかに確認しておきたい形 |
|---|---|---|
| 社長が言う | おっしゃる | 言われる(られる系) |
| 私が言う | 申す・申し上げる | 特別な形系として覚える |
社長がそうおっしゃいました。
社長がそう言われました。
私がそう申しました。
「食べる」
| 内容 | 代表的な形 | ほかに確認しておきたい形 |
|---|---|---|
| 先生が食べる | 召し上がる | 食べられる(られる系)/お食べになる(お〜になる系) |
| 私が食べる | いただく | 特別な形系として覚える |
先生が昼食を召し上がりました。
先生が昼食を食べられました。
先生が昼食をお食べになりました。
私が昼食をいただきました。
「行く」
| 内容 | 代表的な形 | ほかに確認しておきたい形 |
|---|---|---|
| 先生が行く | いらっしゃる | 行かれる(られる系) |
| 私が行く | 参る・うかがう | 特別な形系として覚える |
先生が学校へいらっしゃいます。
先生が学校へ行かれます。
私が先生の研究室へうかがいます。
7 注意したい形
「お〜になる」と「お〜する」は違う
| 形 | 種類 | 使う場面 | 例 |
|---|---|---|---|
| お+マス形の語幹+になる | 尊敬語 | 相手側の行為 | 先生がお読みになる |
| お+マス形の語幹+する | 謙譲語 | 自分側の行為 | 私がお渡しする |
先生が本をお読みになります。
私が先生に資料をお渡しします。
「ご〜になる」と「ご〜する」も違う
| 形 | 種類 | 使う場面 | 例 |
|---|---|---|---|
| ご+漢語名詞+になる | 尊敬語 | 相手側の行為 | 先生がご確認になる |
| ご+漢語名詞+する | 謙譲語 | 自分側の行為 | 私がご説明する |
先生が資料をご確認になります。
私が内容をご説明します。
8 理解度確認問題
次の問いについて、正しいものを1つ選びなさい。すべて回答してから「採点する」を押してください。

